イギリス高校留学ー大学への道
2017年3月4日
16歳で義務教育が終了した後、大学に進学したい人だけが6thフォームと呼ばれる2年コースに進みます。
6thフォームで取れるコースは、Aレベルの他にIB(インターナショナルバカロレア)やPre-Uがあり、どれも大学進学資格として世界中で認められています。
しかし、IBやPre-Uは私立校でしか行われていないのが現状で、90%の生徒はAレベルを選択しています。IBは6教科+TOK(Theory of Knowledge、エッセイとプレゼンテーション)と多数の科目をしなければならないので、負担が大きいためでしょう。
Aレベルの1年目はAS、2年目はA2と呼ばれます。ASでは4科目、A2では1科目落として3科目のみを勉強します。
選択科目の選び方ですが、まず希望する大学の学部を調べるのが理想的です。もし科目が指定されていれば(例えばこの学部に出願するものは必ず化学や物理を選択していることなど)それを選択しなければ受験資格がないことになります。理系の場合は特に科目が指定されている場合があります。科目は特に指定されていなくても、大学で勉強したい分野の科目を選択するのが普通です。
もし将来何を勉強したいのかまだ漠然としていたり、得意不得意科目があまりなく平均的な場合は、6科目選択できるIBコースをするのも良いでしょう。IBコースでは、Higher科目を3つ、Standard科目を3つ、選びます。選択した科目に関連性がなくともあまり気にする必要はありません。
試験ですが、去年までは1年目の終わりにASの試験がありましたが、今年から廃止になり、2年目の終わりの試験のみになりました。ASの試験があった頃は、その試験結果が最終評価の30~40%に含まれていましたが、これが廃止になったため、2年目の試験1発勝負となりました。またAS資格というのがありましたが、これもなくなりました。つまり、2年目の試験で失敗した場合、最悪なんの資格も取れない、ということもありえることになります。
また、ASの試験結果により予想グレード(Prediction)が出され、それをもとに大学に願書を提出していましたが、ASが無くなったので、予想グレードは学校内の模擬試験結果に基づき出されることになります。
イギリスの試験制度はこういう風にコロコロ変わるので、把握するのが大変です。
大学への出願は、6thフォーム2年目の秋から始まります。AS(今年からは模擬試験)の試験結果に基づき、UCASへ5校出願します。大学から条件付きのオファー(コンディショナルオファーと言います)が来れば、仮合格です。
条件とは、最終試験でのグレード(IBの場合はポイント)。
つまり、3教科のグレードがAABなら合格とか、ABCなら合格、とか条件がついています。もし最終試験でその成績が取れなかった場合は、残念ながら仮合格は取り消され、不合格ということになります。
最終試験の結果は8月半ばに出ますので、その結果を待って合否が決まります。
9月からの大学の合否が8月までわからないので、結果が出るまで本人も親も不安な毎日を過ごすことになるのです。
6thフォーム2年かけて大学進学の準備をするイギリスの高校生・・大学への道は遠くて長いですね。